「かがみのかなたはたなかのなかに」を観ました。
鏡の向こうは何がある?
私は一人、向こうも一人。
孤独?寂しさ?私?私じゃない?
私の右手、あなたの左手。
私はあの子が欲しい。
あなたもあの子が欲しい。
けいこの方?こいけの方?
取って取り合って、引っ張って引っ張られて。
今回観たお芝居は、子どもと、かつて子どもであった人たちのための演劇。
舞台が始まる前にホール前のロビーにて、ちょっとしたパフォーマンスあり。
首藤康之さんの姿勢の美しさに見惚れる。
4人だけしか出てこないお芝居だけれども、役者陣が濃いせいか、はたまたよく動く演者のせいか、ステージ上はめまぐるしく変化していく。
主人公は兵士、おそらく出兵を待っている。
子どもの方へ目線を向けている舞台の割には、最初のシーンは重い。
対の二人、時々対でなくなる二人。
そんな二人も恋に落ちる。
「けいこ」と「こいけ」は小粋。
思っていたより肉感的だった松たか子は小悪魔のようにふるまう。
思っていたより美しかった長塚圭史も小悪魔のようにふるまう。
最後までファンタジーだと思っていたけれど。
どきり、とする。
ざわざわ、とする。
あぁそうだった、長塚脚本・演出だったと思いだす。
こいけの絶妙な息遣いにすくわれる。
一つ多くても、少なくても、ダメな息遣い。
またファンタジーに戻るよ。
前の席に座っていた子どもたちも、笑い始めた。
さて、私の今いる世界は、どちらの世界?
作・演出 長塚圭史
振付 近藤良平
1/24 大野城まどかぴあ