愛しのグリーンカレーちゃん(その1)。
私が宇宙で一番おいしかったと思ったグリーンカレー屋さんが閉店して、もうかれこれ2年以上経つ。
流行っていたし、常連さんもついていたけれど、シェフとマダムの「前向きな理由」により、惜しまれつつの閉店となった。
女性がふらりと一人でやってきて、デザートのついたランチセットも食べられ、また夜仕事帰りに一杯飲んだ後、〆でカレーを食べられることもできた便利で美味しい店。
未来永劫、存在してくれると信じていた店。
しかしながら、ももクロの緑が卒業引退する日が来たように、その店はなくなった。
永遠など、なかったのだ。
もし最後の晩餐を自分で決められるとするならば、間違いなくその中の一つメニューはグリーンカレー。
この世に私が食べたグリーンカレーが存在したことを忘れないように、ここに記していくことにする。
そう、永遠など、なかったから。
日清のHPによると、2017年10月23日新発売だった(らしい)。
(らしい)とカッコ書きなのは、私がこれを知ったのがSNSだったから。
どなたが食したレポートを読んで、近所のコンビニを3軒回ってやっと見つけた。
そしてどなたかの感想と一緒で「最後に、ごはんにかけて食べたかった」。
思っていたより、グリーンカレー。
ココナッツミルク感も満載。
麺もいつものどん兵衛より、つるりとした舌触り。
これが「タイ感」をより醸し出しているのか。
ちなみに、いつもは飲まないカップ麺のスープも、これは全部いただいた。
うん、最後の晩餐に、ちゃんとしたグリーンカレーが間に合わなかったら、これでもいい。
ちなみに店を閉めた後、マダムは自分の郷里に店を持つべく奮闘中で、オープンまでの最終段階だと、SNSに綴っていた。
頑張っている人たちは、一つの夢が終わった後もまた、新しい夢を続けて叶えていく。
ただ、こちらのお店はグリーンカレー屋さんではないとのことだ。
やはり、永遠など、ない。
「かがみのかなたはたなかのなかに」を観ました。
鏡の向こうは何がある?
私は一人、向こうも一人。
孤独?寂しさ?私?私じゃない?
私の右手、あなたの左手。
私はあの子が欲しい。
あなたもあの子が欲しい。
けいこの方?こいけの方?
取って取り合って、引っ張って引っ張られて。
今回観たお芝居は、子どもと、かつて子どもであった人たちのための演劇。
舞台が始まる前にホール前のロビーにて、ちょっとしたパフォーマンスあり。
首藤康之さんの姿勢の美しさに見惚れる。
4人だけしか出てこないお芝居だけれども、役者陣が濃いせいか、はたまたよく動く演者のせいか、ステージ上はめまぐるしく変化していく。
主人公は兵士、おそらく出兵を待っている。
子どもの方へ目線を向けている舞台の割には、最初のシーンは重い。
対の二人、時々対でなくなる二人。
そんな二人も恋に落ちる。
「けいこ」と「こいけ」は小粋。
思っていたより肉感的だった松たか子は小悪魔のようにふるまう。
思っていたより美しかった長塚圭史も小悪魔のようにふるまう。
最後までファンタジーだと思っていたけれど。
どきり、とする。
ざわざわ、とする。
あぁそうだった、長塚脚本・演出だったと思いだす。
こいけの絶妙な息遣いにすくわれる。
一つ多くても、少なくても、ダメな息遣い。
またファンタジーに戻るよ。
前の席に座っていた子どもたちも、笑い始めた。
さて、私の今いる世界は、どちらの世界?
作・演出 長塚圭史
振付 近藤良平
1/24 大野城まどかぴあ